カリフォルニア州バークレー出身のゴスペル・アーティスト。14回のトップ・ゴスペル・アルバム・チャート入り。そのうちの6回はトップ10入りし、中でも1992年の「When the Music Stops」は1位を獲得しています。
コーリーさんは、小さい頃から母親の影響を受け、教会の音楽の中で育ちました。14歳から教会クワイヤーに入り、その後1977年から1983年の間は、エドウィン・ホーキンス(Oh Happy Dayのアレンジと録音で世界的に有名になったゴスペル・アーティスト)の活動に加わりました。(画像:repentgospelartists.blogspot.comより)
また、ゴスペル音楽だけでなく、ミュージシャンとしての才能が評価され、ジャズなどの多くの有名アーティストとのセッションを行っていました、。ナンシー・ウィルソンなどの一流アーティストともコラボレーションをしています。
1986年にゴスペル音楽界に戻り、ソロ・デビュー。デビュー曲の「Just Darryl」(画像:左)は、いきなりグラミー賞にノミネートされ、ゴスペル界のトップ・アーティストへの仲間入りをします。
後にリリースした「I’ll Be With You」や「When the Music Stops」も大ヒット。トラメイン・ホーキンスやジェームス・クリーブランドら大物ゴスペル・アーティストらの音楽制作にも関わり、大成功を収めました。
しかし、その一方で若年性糖尿病の診断をくだされ、視力を失ったこともありました。持病を抱えながらも音楽活動を続け、2006年には「Praise and Worship」をリリース。ラジオ番組「God Said I Can」のホストとしても活躍していました。
2014年1月、コーリーさんの功績が認められ、BMI(アメリカの音楽著作権協会のひとつ)によりナッシュビルのゴスペルミュージックアワードで、リチャード・スモールウッド氏と共に表彰を受けました。(画像:www.bmi.comより。功績を讃えられるコーリーさん)
2016年3月15日、わずか60歳で天に召されてしまいました。ホスピス病棟にいらしたと、息子さんがメディアに発表していますので、きっと穏やかな最期を迎えられたことと思います。「最高の父だった」というコメントには胸が打たれました。
コーリーさんは、ずっと天を見て生きておられたように思います。それがゴスペル・ファンを魅了し続けたのだと思います。才能がある人には、とても誘惑が多いものです。しかし、病気にも誘惑にも負けずに天のメッセージを世に送り続けた。これが彼の偉大なる功績であり、魅力だと私は思います。
私は彼のボーカルが録音された「Hallelujah You’re Worthy」という曲が大好きです。
沢山の素晴らしい音楽、素晴らしい演奏、素晴らしいボーカル、そして素晴らしいメッセージを私たちに残してくれたコーリーさんに感謝を込めて・・・。
(画像:realitywives.netより。最後のアルバム「Praise and Worship」)
2016年3月22日 / 文:打木希瑶子