Legacy Adrift

このページでは、私が日本語ミニストリーを行っているニューヨークのゴスペル教会「ベッセル・ゴスペル・アセンブリー教会」の礼拝メッセージを元に毎週メッセージを書いています。みなさんのビジネスや生活にお役に立てるヒントがあれば・・・という思いで書いています。お読みいただき、良いメッセージだとおもわれましたら、ぜひSNSなどでシェアしてください!NYに来たら是非、私と一緒に礼拝に参加してください!詳細はこちら

final-light4(画像:movement.stanford.edu)

今回のメッセージは「漂う遺産」です。旧約聖書のSamuel記(サムエル)下の13章最初から33節、14章の28節、15章の1節~6節辺りを読んでみましょう。ここには、父親を裏切ってしまう息子Absalom(アブサロム)の話が書いてあります。最も身近な親子や家族関係が、なぜ壊れていってしまうのか。日本でも近年、家族内での殺人、虐待事件を良く目にするようになりました。私は子ども虐待防止運動の啓発イベントを毎年やっております。私にとっては、とても興味深いお話となりました。子育て中の方々には、とても良いお話だと思いますし、子育てが一段落した私のような親にとっては、なるほどな・・・と反省させられる話かもしれません(苦笑)。

このお話に登場するのは、父親であるDavid(ダビデ)王、息子であるAmnon(アムノン)、Absalom(アブサロム)、Absalomの妹Tamar(タマル)です。AmnonとAbsalomは、腹違いの兄弟。ブラウン牧師の話によると、Davidには19人の息子がいたとか・・・。かなりの数の奥さんがいたのでしょうか?なんだか、日本の「大奥」のドラマを思い出してしまいます(笑)。

Absalomは、父Davidに反発し、自ら国民の心をつかもうとしました。国民に王に対する不信感を募らせるように仕向けていったのです。ブラウン牧師は、こう話しました。「皆さん、自分の親のことを考えてみてください。自分が若いころ、自分の親を心から尊敬できないな・・と思ったことは、ありませんか?私は父を愛していますが、ひとつだけ許せなかったことがあります。それは、ほんの些細な出来事です。」

baseball「ある日、私たちは野球をしていました。野球と言ってもちゃんとしたものではなく、ほんの数名でやっていた、ちょっとした遊びです。私が守備にいたとき、ボールを地面すれすれでキャッチしました。よって、本来ならば、バッターはアウト。しかし、父は私のキャッチを認めず、それをヒットだと言ったのです。私はキャッチしたと言ったのに、父は認めてくれなかった。その時、父に対して不信感を持ちました。父の言うことがいつも正しいとは限らないのだ・・・と。後にも先にも、父に対する不信感は、その時だけですが、大人になった今でも、覚えているほど、私にとってはショッキングな出来事でした。あのとき、私は父にキャッチしたと認めて欲しかった・・・。私の父は、教会で熱心にボランティア活動をしていた人で、とても多くの人に慕われていました。そんな父を私がこのような些細なことで恨んだことがある・・・と言ったら、みんなは笑うでしょう。しかし、子どもの私は、とても傷ついていたのです。しかし、これが犯罪につながるような出来事だったら、私はどう思ったでしょう?そう思うと、私は、このお話に出てくるAbsalomに少し同情してしまいます」(画像:www.sportsdadhub.com)

では、その問題の個所を簡単にご説明しますね。兄Amnonは、腹違いの妹であるTamarに性的な興味を持ち、ある日、彼女をだまして自分の部屋に誘い犯してしまいます。それを知ったTamarと同じ母を持つAbsalomは、兄のAmnonを恨むようになりました。妹のための復讐の機会がやってきたAbsalomは、ある日、Amnonを殺してしまいます。しかし、この事件をきっかけに、父はAbsalomに辛くあたり、許そうとしませんでした。Absalomは、そんな父を恨むようになりました。「妹を犯すような兄を殺して何が悪い!なぜ、私には同情してくれないのか!」

そしてAbsalomは国民の関心を自分に向けようとします。これは、父への裏切り行為。彼にすれば、自分だけを責めるような父は、国民は信用すべきではなく、王としてはふさわしくないのだと知って欲しかったのです。

ffrf-ad-on-cnnブラウン牧師は続けます。「この話は、私の野球などとはレベルの違う話。性犯罪を犯した兄の死を悲しみ、Absalomには一方的に冷たく当たったわけですから、私には彼の悲しみも理解できます。近年のアメリカでも親子関係が破たんし、全米が驚いた一例があります。レーガン元大統領の次男が、なんと”無神論”を唱える団体のCMに登場しているのです!レーガンは、とても熱心なクリスチャンでした。長男のマイケルさんは、このニュースに対し”なぜ、弟がこのような行動を取るのか、私にはわからない”とマスコミに答えています。」(画像:www.christianexaminer.com)

実はこの長男のマイケルさんは、レーガン氏の最初の妻との結婚の際に、養子として家族になった方。残念ながら、親の離婚が原因で彼は寄宿舎に入ることになり、寂しい思いをしていたはず。しかし、弟のロン(無神論者)は、2番目の奥さんとの間に生まれた実子です。彼の方が愛情いっぱいに育てられたような気がするのですが・・・。アメリカは、キリスト教の国。大統領の息子が無神論者となり、「私は地獄で焼かれることを恐れません!あなたも私と共に無神論者に!」と呼びかけているCMは、やはり異常です・・・。私も最初見たときは、ジョークかと思いました!

Father and son back to back「さて、私たちは、王のDavidのケースやレーガン元大統領のケースから学ぶことがありますね。Davidは、王としてとても忙しかった。息子もたくさんいて、一人一人に同じように対応することが難しかった・・・。レーガン氏も、俳優から州知事になり、大統領にまでなった人。息子のことを考える時間と心の余裕がなかったと思われます。問題は、そこなのです。子どもたちは、親に信頼されたいし、愛されたいのです。外を歩いていると、親が泣き叫ぶ幼い子供に”うるさい!”と怒鳴っている光景をみかけます。幼い子どもは、言葉を良く理解できません。泣いているのは、うるさいと怒鳴り、自分を認めてくれない理不尽な親の態度に対して、泣いているのです。そんなときに、一呼吸して、親は子どもの立場になってあげる必要があります。」(画像:www.goodenoughmother.com)

「皆さんに聖書を読んで欲しいのには、理由があります。このお話のように聖書には、さまざまな人々のストーリーが書かれているのです。聖書は、どうしたら失敗せずに生きられるかが書いてある指南書なのです。ですから私たちは、それを語り継ぎ続けなくてはなりません。そのために聖書を勉強する必要があるのです。同じような悲劇を繰り返さないためにも、先人が残した遺産である聖書を漂流させていてはならないのです!」

「子どもを信じなければ、子も親を信じることはできません。親を信じられない子どもは、大人を信じられなくなります。そして、それが事件の引き金になっていくのです。最初は、些細な不信感。しかし、それが繰り返されれば、大きな不信感になってしまいます。人間は、完全ではありません。過ちを犯します。しかし、できるだけ過ちを犯さないよう、人を傷つけないように生きる努力はすべきでしょう。」

アメリカでも、日本でも、家族関係が崩壊しているケースが増えています。愛情不足の人間が増えれば、犯罪も増える。愛のある社会を作るためには、まずは身近な家族から・・・だと思います。(画像:www.stevehackman.net)

Father-and-Son2015年4月19日 文:打木希瑶子