メアリー・メアリー


 

ゴスペル・クラブ・ミュージック

“メアリー・メアリー” Part 2

今週は、7月13日号でにお伝えしました「生メアリー・メアリーが、ブルックリンにやってくる!」情報のレポートをお届けしたいと思います!

7月28日(月)7:30PM開演ということで、私は、ゴスペル・ヒップホップ・ダンサーのRIEと6:30PMに会場近くの駅で待ち合わせ。「どうせ、地元の無料イベント・・・。きっと、開演時間頃にならないと、人来ないよね~」などと、言いながら会場に到着したら、既に何~と長蛇の列!いつも開演ぎりぎりにならないと来ない黒人の皆様が、なんと1時間も前に来ているではありませんか~!これには、唖然!Mary MaryやTye Tribettの人気を再確認させられました。

無料イベントでは、あるものの、ここはやはりNY。厳重なセキュリティー・チェックがあります。10名ほどのセキュリティーが入り口で荷物検査やボディーチェックをしています。「写真、ビデオ、録音は、すべて禁止!飲み物のボトルも持ち込み不可!」と、一人のセキュリティーが大声で説明しています。長い長い行列のあと、いよいよ私の番。かばんの口を大きくあけて、中を見せました。「カメラ持ってる?」「いいえ」、「飲み物持ってる?」「いいえ」、「OK、入っていいよ」と何も見ずに言われた私・・・。何の為のセキュリティー・チェックだったんでしょ?黒人ばかりの中に、アジア人2名、怪しくないのか~?・・・というわけで、今回は写真の掲載は、できませんので、あしからず・・・。

このイベントは、そもそも「マーティン・ルーサー・キング・コンサート・シリーズ」として、26年目を迎える夏の有名なイベントのひとつ。マーティン・ルーサー・キングJr.といえば、黒人のために「非暴力」での人権運動をした活動家の一人であり、プロテスタント系教会の牧師としても有名ですよね。なぜ、夏にキング牧師のコンサートが行われるのでしょう?(彼のバースデーは、1月・・・。そして、この日はアメリカの祝日です。アメリカで誕生日が祝日になるのは、コロンブス、ワシントン&キング牧師)。1963年8月28日に行われた彼の有名なスピーチ「I Have a Drem」を記念して8月なのだと思います。“I have a dream.One day the sons of former slaves and the sons of former slave-owners will be able to sit down together.(私には夢がある。いつの日か、かつての奴隷の子達と、かつての奴隷の所有者達の子達が、一緒に座れることを)” たった40数年前は、今のように黒人も白人も一緒に学校へ行ったり、食事をしたりすることが「夢」であったなんて・・・信じがたい事実です。今でも、黒人と白人の間ではトラブルが耐えません。まだまだ、アメリカは人種差別に対して大きな問題を抱えています。(だから、オバマを大統領にすることに黒人が躍起になっているのだな~と、あらためて考えさせられます)。

そういうわけで、主旨は「みんなで平和を考え、いい世の中にしよう!」というコンサートなのです。地元の教会関係者が多く招待されていて、アリーナ席は、その人たちのもの。一般人は、各自椅子を持って後部に座ります。NYの住民は、夏になると公園などで毎週のようにバーベキューを楽しみます。なので、みんなちゃんと「MY折りたたみ椅子」を持っています。大きめの傘ぐらいの大きさで肩に下げて歩けるもので、しかも広げるとディレクター・チェアのように大きくなります。(NYの野外コンサートを楽しむ為に、あの折りたたみ椅子は絶対に必要と判断!次回のために、購入しておかなければ!)我々は、一番後部にあった高さのあるベンチに座ることにしました。ステージは、遠いですが、モニターもあり、充分パフォーマンスをエンジョイできる場所でした。

色々な人のスピーチやオープン・アクトのあと、パフォーマンスが始まったのは、8時半ごろだったでしょうか?Tye Tribbettが一番手。ニュージャージー出身の若手ディレクターTyeは、1977年生まれ。彼の熱意あふれるステージには、若い層から絶大な人気があります。「兄貴~」と呼びたくなる存在なのだそうです。今年5月にソニーからリリースしたCD「Stand Out」(詳細は、ショップへ)からの楽曲を披露。彼は、いつも黒系のスーツでクールなイメージなのですが、この日は黄色のTシャツにジーンズ姿。一見、レゲエ・アーティストのようなTyeでしたが、これはこれでまた彼の違った魅力を見てしまった・・という感じ。ステキでした~!あのスレンダーなボディーのどこから、あれだけのエネルギーが出るのか・・・。とにかく彼のパフォーマンスは、クール&情熱的。かっこいいステージなのです!では、CDのタイトルにもなっている「Stand Out」の映像を見つけましたので、ご覧ください。こちら

次は、Ricky Dilliard。日本では、まだご存知のない方も多いと思います。90年にリリースしたCDがいきなり91年にグラミー賞にノミネートされています。HIP HOPやR&Bゴスペル・アーティストとしてデビューしたと聞いていましたので、Tyeのようなステージかな~と思いましたが、どちらかというとクワイヤーを引き連れてのトラディショナルなスタイルに見えました。Tyeの後、同じようなステージをやっても・・・ということだったのかしら?いづれにしても、アメリカ国内中を毎週のように駆け回っている大人気アーティストです。エネルギッシュなステージは、観客を魅了。もう、鳥肌の立つような素晴らしいパフォーマンスでした。下記は、彼がクワイヤーと一緒にステラ・アワードに出演した際の映像です。楽曲は、彼が今年リリースしたアルバム「7th. Episode」の中から「The Light」。こちら

Rickyの後、スピーチやら準備やらで引っ張る、引っ張る・・・。時間は、既に10時を回っていました。Mary Mary登場の頃は、観客も疲れた様子。このしらけムードの中、きっとヒット曲「The Real Party」で、登場!となると思いきや・・・。登場した途端「あれ?パフィー?」と、思わずRIEと声に出して言ってしまいました・・・。会場は、どっちらけ・・・(あっ、これはパフィーのステージを決して非難しているのではありませんよ。あまりにもMary Maryのイメージとかけ離れていた・・・という意味です)。Rickyのステージが大盛り上がりだったので、そのギャップは量りようもありません。2曲目も「In the Morning」と、ノリが悪い・・・。そのうち「Yesterday」のリメイクが歌われたりしたものの、相変わらずMary Maryらしいパフォーマンスが出てこない・・・・。「親は、子供をもっと愛して!」「子供の手を離さないで!」「子供達を学校へ行かせて!」「親がしっかりしなければ、NYは変わらない!」というメッセージを伝え始めるのですが、説得力なし・・・。観客も期待はずれのステージ内容にドンドンと帰路へ向かいます。

私達も、公園にいる1万人以上の人たちと同時に電車に乗るのは、危険・・・と、後ろ髪引かれながらも会場を跡にしました。会場を出た途端、大ヒット曲「Shackles (Praise You)」がやっと登場。同じく会場を後にしたお客さんの口からは「Shit!」と、不満の一言。

翌日、アメリカ人のイベント・プロデューサーの友人に「Mary Maryは、やる気あったのかね~。演出が悪すぎたよ~。」と、昨日の出来事を説明すると「馬鹿だな~。それはクラウド・コントロールと言って主催社がよくやることさ。何万人もがノリノリになって、最後まで残って、テンション高いまま帰路についたらどうなると思う?君もNY生活長いんだから、想像つくだろ?アイツラが、皆、興奮状態になったらどうなるか・・・」。つまり、「無料イベント=生活レベルの低い人」が観客(必ずしもそうだとは限らないと思うのですが・・・)なので、劇場に来るお客さんとは、大きくモラルのレベルが違うのです。ですから、主催社はコントロールしないと、観客がその後、騒いだり、車や家を壊したりなど、周りの住民に迷惑のかかることが起きるのだそうです。それに、病人やけが人が出たりすれば、騒ぎは更に大きくなります。そのために、テンションを思いっきり下げて、まあ最後に一曲盛り上げて終わり・・・というのが、パターンだそうで・・・。ということは、やはり好きなアーティストのコンサートは、お金を払って観るべき・・・ということですね!

・・というわけで、Mary Maryに期待を膨らませていた観客からは、かなり納得のいかないパフォーマンスであったわけです。でも、私にとっては生でMary Maryを観る事ができたことが、最高の幸せ!同じ時間を一緒に過ごす事ができた!というだけで、感動なんです~!ファンとは、そういうものですよね?

2008年8月3日号

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“メアリー・メアリー” Part 1

メアリー・メアリーは、女性二人のデュオ。R&Bやヒップホップ系のダンス・ミュージックを手がけ、大ヒットを飛ばし続ける二人。ゴスペル・ヒップホップのトップ・デュオとして、君臨しているのは、エリカ(1972年4月29日生)とティナ(1975年5月1日生)というキュートな姉妹。1998年のデビュー以来、数々の賞を受賞してきました。まあ、みてください!下記が彼女達のこれまでの功績です(太黒字は受賞。そのほかは、ノミネート) 彼女達がどれだけアメリカでヒットを飛ばしているか、一目瞭然でしょう・・・。

<主なアワードのノミネート&受賞リスト>

<アメリカン・ミュージック・アワード >2005年ベスト・インスピレーショナル・クリスチャン・コンテンポラリー・アーティスト賞 、2001年人気R&B・ソウル・ヒップホップ新人賞

<ブラック・エンターテイメントTV(BET)アワード>2007年 最優秀ゴスペル・グループ賞、最優秀ゴスペル・アーティスト賞、2006年 最優秀ゴスペル・アーティスト賞、最優秀グループ賞、最優秀ゴスペル・アーティスト賞、2003年 最優秀グループ賞、2001年 最優秀ゴスペル・アーティスト賞、最優秀女性グループ賞

<レディ・オブ・ソウル・アワード>2003年 最優秀ゴスペル・アルバム賞、2001年 最優秀ゴスペル・アルバム賞最優秀R&B・ソウル・ラップ・新人グループ賞、最優秀R&B/ソウル・シングル・グループ賞

<ソウル・トレイン・アワード>2001年最優秀ゴスペル・アルバム賞

<グラミー賞>2000年ベストコンテンポラリー・ゴスペル・アルバム賞

<ドーブ・アワード>2001年 最優秀アーバン・レコーディング・ソング賞、2001年 最優秀アーバン・アルバム賞、2002年 最優秀アーバン・レコーディング・ソング賞、2003年 最優秀コンテンポラリー・ゴスペル・レコードディング・ソング賞、2004年 最優秀アーバン・レコーディング・ソング賞

<ステラ・アワード>2001年 新人賞、最優秀アーティスト賞、最優秀グループ賞、最優秀コンテンポラリー・グループ賞、最優秀コンテンポラリーCD賞、最優秀ミュージック・ビデオ賞、2004年 最優秀アーティスト賞、最優秀グループ賞、最優秀コンテンポラリー・グループ賞、最優秀インスピレーショナル・パフォーマンス賞、2006年 最優秀アーティスト賞、最優秀ソング賞、最優秀CD賞、最優秀グループ賞、最優秀インスピレーショナル・シングル&最優秀パフォーマンス賞

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父親が牧師だった為、姉妹は最初、無理矢理クワイヤー(合唱団)に入れられたと言っています。しかし、だんだんと音楽の世界に引き込まれ、楽曲の制作を始めます。本格的にプロのアーティストを目指したのは、スーパーで働いていたときだとか・・・。「安い給料だから、長時間働かなくてはいけなかったんです。音楽活動にもっと時間を使いたいと思うようになって、プロを目指そうと思いました。」

ソングライターとして映画『ドクター・ドリトル』『プリンス・オブ・エジプト』のサントラ、702などに楽曲を提供して注目を集め、アーティスト・デビューのチャンスをつかみます。そして、ヒット・プロデューサー、ウォーリン・キャンベル(ブランディ、ボーイズIIメン、シャニースなどを手がけた凄腕です・・。)が、二人をプロデュースします。ウォーリンは、Mary Maryの名付け親。また、楽曲の制作にも参加しています。ティナとエリカは、ホームページの中で「メアリー・メアリーは、本当はウォーリンを入れた3人のグループなのよ。ウォーリンなしでは、メアリー・メアリーはありえないの」と、言っています。

そして、デビューアルバムがいきなり第43回グラミー賞を受賞。(アルバム名『サンクフル』)そして、このアルバムは全世界で150万枚を売り上げる大ヒットとなりました。CDは、ショップへ。では、アルバムの中で、最も大ヒットとなったShackles (Praise You)の映像をご覧ください。こちら

「R&Bとゴスペルをコラボすることは、他のアーティストが随分前からやっていました。私達は、元々楽曲の中にグルーブ感のあるものが好きでした。ダンス・ミュージックの中には、セクシャルな歌詞が結構あるでしょ?音楽は、歌詞がとても大事ですし、私達は歌詞をとても大事にしています。素晴らしい歌詞で、ダンス・ミュージックが作れたら・・・・、そう思って自分達の好きな楽曲にゴスペルの歌詞を取り入れたんです」。若者を教会に通わせたいと思っていた大人たちにとっては、まさにMary Maryは救世主!教会の礼拝でヒップ・ホップ音楽を聴くことができるとあれば、喜んで若い世代が教会に通い始めます。ポジティブなゴスペルの歌詞は、若者に良い影響を与える・・・と、ヒップホップ音楽を敬遠していた大人たちもMary Maryの楽曲を子供達が聴くことに、大賛成するようになります。英語圏以外の国では、彼女達の楽曲は、普通にクラブでもかけられていますし、ゴスペルだと意識して聞いている人は少ないかもしれませんけどね。しかし、ある言語学者によると「意味がわからなくても、ネガティブな発言は、伝わりますよ。知らない言葉でも自分の悪口を言われると、なんとなく空気でわかるものです。ですから、たとえ意味がわからなくても、ポジティブな歌詞というのは、英語圏以外の人にも良い影響を与えることができるでしょう。特に若いときは、脳が柔らかく、感覚にも優れています。ですから、ゴスペル・ヒップホップというのは、新鮮でなおかつ素晴らしい影響を与える事ができる音楽ジャンルだと言えます」・・だそうですよ。

2年後に出したアルバムは、またまた大ヒット。グルーブ感いっぱいのダンス・ミュージックがいっぱい!Mary Mary の出したアルバムの中で、私はこのアルバムが実は大好きです。2作目のアルバム「Incredible」からイン・ザ・モーニングのプロモーションビデオ(映像がよくないですが・・・)をどうぞ。CDは、ショップへ。

アルバムリリースは、約2-3年おき。アップテンポのダンスチューンからスロー・バラードまで、バラエティに富んだ楽曲作りを続けています。こちらは、2005年に出されたアルバム「Mary Mary」からの大ヒット曲「The Real Party」。映像があまりきれいではないのですが、Tye TribbettとMary Mary の共演ステージを発見。このアルバムは、日本では販売されていませんので、入手したい人は、是非ショップへ!映像は、こちら。

そして、NYにお住まいの方に、すご~いニュース!なんとMary Maryが公園での無料コンサート「ゴスペル・ナイト」にTye Tribbettと共に出演します!時間と場所は、下記の通り。

日時:7月29日(月)7:30PM *雨天の場合、翌日へ変更。

場所:Wingate Field (Brooklyn Ave. Between Winthrop Street & Rutland Road)

NYにお住まいのサポーターの皆さん、この時期NYに来られる予定のサポーターの皆さん、是非、私と一緒に椅子と食べ物を持って、見に行きましょう!一緒に行きたいサポーターの方は、専用メールアドレスから私にメールでお知らせください!も~、今からワクワクです~!残念ながら、行けない方には、このページでまたレポートしますので、お待ちくださいね!

今回ご紹介した3曲が入ったアルバムは、ショップの「お薦め」にありますので、是非チェック!